普段全然歩かない奴が急に60km歩くとこうなる
記事が自己紹介だけになるのもあれだったので最悪今後1度も開くことが無くても救われるように1つ記事を書いておこうかと。要は保険ですね。
てことで先日60km歩きました。6kmの間違いじゃないですよ?60kmですよ?Googleの履歴だって残ってます。
ちなみに僕は普段自転車移動マンなので必要最低限にしか歩くことはないです。つまり全くと言っていいほど徒歩慣れしていないです。
それなのになぜ60kmも歩こうと思ったのか。そう、流行に乗ってしまう人間だからですね。Twitterでよく絡む人々の中で、徒歩50kmで1単位的な風潮があるのですよ。ということで僕も50km歩いてみようかなってね。
さて仙台から50km歩くならどこが良いかなと。場所を考えつつ同行者を募っていた時、同行を申し出ていてくれた方から「石巻か相馬だと電車エスケープも可能で道が平坦」との情報を。同行者に迷惑をかけたくなかったので、この時点では2つのうち比較的距離が短い石巻にしとく予定でした。ちなみに石巻なら47kmくらいだったと思います。
しかし同行者と予定が合わず、結局一人での挑戦となりました。正直石巻はよく行く場所なので、せっかく徒歩するなら一人になっちゃったし無茶するか、と。そんなわけで行先を相馬にすることにしました。ついでに言うと徒歩の後に温泉入ったら気持ちよさそうだなということで、最終目的地を温泉にしてました。
で、地図を見るじゃないですか。名取を通るんですね。そう、名取と言えば仙台高専名取キャンパス。秋田ですが高専出身の僕としては全国の高専が聖地。ということでせっかくなら寄り道してやろうということで、経由地に追加しました。どうせ2kmしか変わらないし~と言いながらね。この2kmが誤差のレベルではないということはこの時は思ってもおらず…。
ということでここからが記事の本題です。実際に歩いてみた感想を書いていきます。
現住居の前です。時刻は朝4時半。60kmくらいならきっと12時間プラスアルファで歩けるだろうということで、温泉の営業時間との兼ね合いでこの時間の出発です。
出発から1時間ほどで空が少し明るくなってきました。
歩きながら撮ったので画像がブレていますね。このくらいの夜明けが結構好きです。このあたりではまだ全然苦痛に感じません。楽しいです。
橋の上とかってどうあがいてもちょっと高台なので景色が良いんですよね。と、言えるほどまだ余裕があります。この時点で2時間は経ってた気がします。足の裏が擦れそうな予感がこの当たりからしていましたが、まだ歩けます。
そして出発から3時間…
仙台高専名取キャンパスに到着しました!!!
しっかり校門前まで行ってきました。割と坂が急だね。この時点で15kmほどです。ちょっと歩いてみようって人はこれくらいでも十分達成感は得られると思います。足を壊さないのはこの辺りまでなので。
さて残り45kmほどです。腹が減っては何とやら、ということでちょっと歩いたところで見つけたパン屋に入りました。朝早くから開いていてよかった。パンセという店です。
お腹いっぱい食べました。どのパンもおいしかった(小並感)。この時座ってパン食べてたのですが立った瞬間足の裏が痛かったです。
さてそろそろ4号線、というところで踏切に捕まりました。
この電車に乗れば目的地まで一瞬なのにね。なんで歩いてるんでしょ。
さてそろそろ6時間経過。
やっぱり橋の上っていいな。川の流れる音とか香りとか全部楽しめる。
さてここから先、ちょっとずつ余裕もなくなり、ほとんど写真を撮っておりません。まず出発から7時間半程度で半分の30kmを歩き切りました。道端の手すりというかガードレールというか、そこによりかかりながら休憩をはさんだりしてました。足の崩壊が始まろうとしてたのはこの辺だったはずです。あと気合と根性が必要になってくるので、精神力に自信の無い初心者はこの辺でやめとくのが身のため。
そして出発から9時間。この地点でぽつんと存在してたコンビニに寄り、トイレなど済ませました。ギリ座っても大丈夫な地点でトイレに寄れてよかった。ちなみにこの後10km以上コンビニその他店が無いとかいう嘘のような事態が発生してました。何も考えずにGoogleマップに従うから…。ルート選択は大事ですね。足ですが、左足がずっと攣りそうな感じがしてました。あと足首も少しずつ崩壊し始めてました。
10時間経過したあたりで、右足のももに支障が出始めます。ペースダウンの兆しを見せている。ここで40km以上は進みましたが、自己暗示なしでは進めなくなってきます。周りに人がいないのをいいことに、ずっと「俺は歩ける俺は歩ける…」ってぶつぶつ言ってました。怖い人ですねぇ。ちなみに徒歩というのは足だけが死ぬ感じなので、息切れするとか上半身が疲れるとかってことはないです。
出発から11時間たったころには完全にペースが落ちてました。普通に歩こうものなら左足は攣りそうだし右のももは痛いし自分の体を支えるのも限界だし。てすりとかに寄りかかって休憩するのもしんどくなってきます。あと海沿いでそこそこ風も吹いてて、踏ん張るのにも力を使います。
出発から12時間経ったころには休憩が「寄りかかる」から「立ち止まる」になってました。コンビニとか言ってたあたりからしばらくまっすぐ歩いていたのですが、チェックポイントにしてた「震災遺構中浜小学校」にようやくたどり着きました。
8km先とか書いてたあの建物がやっと目の前に!という感じでしたね。ちなみに中に入る余裕なんてあるわけがなかったので横目に通り過ぎるだけでした。
そして出発から12時間半。ひとまず1単位となっていた50kmを歩き切りました!一種の達成感に包まれましたが、まだゴールは遠い。ここでずっとまっすぐ歩いていた県道38号線とお別れです。長かった。
この辺で空が暗くなってきました。そして県道38号線を横にそれるとそこには砂利道が。しかも前日は雨だったので水たまりもあります。さらにそんな道に街頭とかの類はあるわけがない。精神崩壊するには十分すぎますねこれ。何とか水たまりをよけながら砂利道を進みますが、抜けた先の舗装道路&街頭で涙が出てきました。この時点で出発から13時間。
14時間経過したころには完全に精神崩壊してました。自己暗示もクソもない。50kmも60kmもそんなに変わらんやろ、そう言ってた出発前の自分を殴りたくもなりましたが、意地でもエスケープしたくなかったので無心で足を動かしてました。この当たりから向かってくる車のライトや小さな段差にもキレ始めてました。つまづくたびに叫んでたんじゃないかな。近隣住民の方々ごめんよ、とは思っている。
出発から15時間でついに相馬市に入りました。いや本当に長かった。
微妙に精神回復した気もしましたが幻想だったかな。さてここから4km程度先に目的地の温泉があります。ちなみにこの1km前に最後のエスケープ地点の駅がありましたが、意地で通過しました。ここまで歩いたら5kmくらい余裕だろ!うおおおおおお!って言いながらね。
出発から15時間半。目的地まで残り2kmを切りました。そう、仙台高専に寄り道してなければこの時間で到着してたんですね。まあそんなことをぼやいても仕方がないので何とか足を進めます。街灯も無いような道路が続いていたので相変わらず車のライトや段差にキレ散らかしながら…。
そして出発から16時間。ついに…
目的地に到着しました!達成感が本当にすごかった。あと営業時間内に着けてよかった。50km地点でみんなからお疲れ様というリプライをいただいていましたが、ここに着くまでは絶対に反応しないと決めていたのでここでようやくリプ返とかしてましたね。
入る時に靴を脱ぐわけですが、まずここで一苦労。足の裏が靴擦れ起こしてたりそもそも足首が死んでたりするので、普通に靴脱ぐだけでも通常の3倍以上は時間がかかったんじゃないでしょうか。そして死にそうになりながら何とか受付。あの状態ですぐに浴槽に向かうことが出来そうになかったので、すぐそばの休憩所の椅子で20分くらい休憩してました。
そしてちょっと回復したところでお風呂に向かいます。バリアフリーっていいね。しっかり手すりを利用して歩きました。なくても歩けたかもしれないけど、手すりのおかげでかなり楽に歩けました。
さてついにお風呂へ。これが本当に気持ち良い。普通に温泉に入るよりも何倍もね。しかも入ってゆっくりした瞬間の達成感。今までの60km徒歩は無駄じゃなかったんだ、そう思えました。文才が無いので伝わらないけどもう本当にすごかった。それまで崩壊していた精神も一気に回復しました。いや温泉ってすごい。
さてここからは帰宅フェイズです。さすがに電車です。もう歩く自信が無かったので駅までタクシーを使おうと思いましたが、自分が使っていたアプリ(初乗り無料クーポンを持っていた)では対象範囲外の地域でした…。仙台が都会すぎるだけか。別にタクシー呼んだらお金もかかるので、1kmくらい駅までさらに歩きました。温泉の閉店時間から終電まで余裕があって本当に良かった。終電には間に合いましたが、普通に1km歩いたらこんなにかからんやろ、というくらい時間がかかりましたね。
これだけの距離を歩いたんですねぇ。我ながらノリと勢いって怖い。
ちなみに朝のパン以降何も食べずに歩き切りました。まあそのおかげで脇腹が痛くなったりというのはありませんでしたね。あと最後最寄駅から自宅までにちょっと急なアップダウンがあるのですが、もう本当にラスボスでした。電車で座った時に両足ともももが死んだので、さすがにもう歩きたくなかったですね()
何やかんや無事帰宅しましたが、次の日はもう歩けませんでした()一応学校があったのですが、コロナ禍でハイブリッド授業なのをいいことに登校しませんでした。ベッドから立つのにも一苦労なもので。それでもバイトには行きましたが、下り階段死すべしってなってました。
その次の日にももは完全回復しました。が、今度はふくらはぎが死んでました。まあまあ、筋肉痛が次の日とかに来るのは若い証拠…。
さらにその次の日には大体普通に歩けるようになってました。てことでノリと勢いで長距離徒歩するなら後ろ2日は歩けなくなると思った方が良い。
以上、60km徒歩レポートでした。マジで訓練なしに歩く距離じゃない。この経験から徒歩を始める人にアドバイスするなら以下の通りですかね。
・慣れてない人は30,40kmくらいにしておけ。それ以上はどうなっても知らん。
・靴擦れはディスアドになるのでぴったりな靴を使え。
・ズボンは歩いてて痒くならないものを履け。
・歩く道にコンビニとかあることは確認しておけ。トイレが無いのは詰む。
・精神崩壊するまで歩くな。無理するな。
・懐中電灯くらいは装備していけ。街灯を期待するな。
・1kmは誤差じゃない。車の感覚で距離を測ると死ぬ。
・だから50kmと60kmは全然違う
・アップダウンが少ない道にしておくべき。今回はおかげで歩き切れたまである。
・エスケープ手段のある道を通るべき。例えば山奥で歩けなくなったらどうしようもない。
無謀なことはするな。この一言に尽きますが、まあそんなこと言われてもやりたい人はやっちゃいますよね。実際僕が60km歩けてしまったわけですし。
ただ、達成感はすごいので徒歩に興味を持ったそこのあなたは是非歩いてみてはいかがでしょうか。ちなみにこの記事を書いている僕はすでに喉元過ぎて暑さを忘れかけているのでまた歩いてもいいかなーって思ってます。
5000文字弱…レポートかよ